2×2行列であそぶ(構成しよう)
行列がなくなってしまった!
行列が高校数学の指導要領からはずれてしまいましたね。
行列は大学に入ったら必ず使うし、とっても役に立つと思うんですが。
代わりに複素平面に関する内容がもう少し増えるみたいです。
不思議な行列
次のような行列を考えます。
さて、この行列にはどのような性質があるでしょうか。
まず試みにとした場合を考えてみましょう。
つまりこれはこのような行列です。
ご覧のとおり二次の単位行列となります。
ここで、この行列をと置いておきましょう。
どのような行列に対しても
が成り立ちます。
積の演算に関してこのような性質を満たすような元を単位元といいます。
なのでは行列の積の演算における単位元となります。
実際、に対して
となっているので、その性質が成り立っていることがわかります。
では今度は逆にとしてみましょう。
これは次のような行列です。
この行列の二乗を考えるととても面白い性質が観察できます。
実際にやってみましょう。
いまとおけば、
が成り立っています。
つまりを二乗すると行列の積の単位元の倍になるのです。
さらに、を使うと、任意のに対して
次のような分解を考えることができます。
この分解を利用しての積を考えると
お気づきの方もいると思いますがこの行列は複素数と性質がとてもよく似ています。